稲刈りが終わった後の田んぼは一度トラクターで土を耕起する。これをやっておくと田植え前の代掻きが容易になる。
もっと早くに一度耕しておきたかったのだが、この谷津田はだけはなかなか土が乾かず結局今となってしまった。
だが、やはりというか心配していたとおり、深いぬかるみにトラクターがはまってしまい身動きが取れなくなった。
大きな後輪タイヤが半分以上埋まりもはや進退窮まってお手上げ状態。表面は乾いているように見えてもちょっと下はベタベタの強い粘質の土の田んぼだ。十分に気を付けながら動かしていても時にこうなる。
まったくもう、これだから谷津田は要注意だ。
結局、自力脱出が不可能なため、ユンボを繰りだしての大騒ぎの脱出となった。
このように深いぬかるみに機械がハマるリスクはあるし、水の管理の難しさはあるし、イノシシによる被害もある。
谷津田はとにかく耕作するにあたって負担が大きい。耕地整理がなされた広くて四角い田んぼ、栓をひねれば農業用水が出て必要な時に必要な量が確保できる田んぼ、に比べればどんなにか条件が悪いことか。
でもここで稲作を続ける意味・意義は十分にあると信じている。
第一に先祖が代々守ってきた田んぼである。ご先祖の念がこもっている。こうやって身体が動くうちは疎かにしてはいけないと思う。加えて一切生活雑水が流入することが無い完全天水の清浄な環境の田んぼである。化学肥料も農薬も最低限しか使わない農法で米を作っている。安心して食べられるこだわり米を作り、自ら食せるのは至上の贅沢だ。
・・という気持ちもあるのだが、稲作の経済的な合理性は既に無いので、農作業で身体を動かし健康になる・野外作業は気分が良い、などの趣味のレベルでの農作業と位置付けている。確かに大変さはあるもののそれを上回る充実感を得られるので続けられている。
還暦を過ぎても身体を使って一年を通して働き、その合間にはいろいろな趣味を楽しめる。充実した田舎の生活である。定年退職後に何もすることが無いとぼやく御仁もいると聞くが、まったく遠い世界の話だ。
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