いまがニホンミツバチの分蜂時期である。世のミツバチ愛好家はウキウキ、ソワソワの毎日のはずだ。我が家でも今年は4月12日に管理下の越冬群巣箱から分蜂したのを確認した。野生の群れでもその後も盛んに続いているはずだ。
愛好家においては、これらの群れをこの時期に捕まえられないと寂しいままで1年を過ごさねばならないのでおのずと必死になる。
おおよその分蜂開始時期(確認日)は毎年ほぼ同じで、当地茨城北部であれば4月10日の前後となる。前後数日間の変動はあっても目安として「ソメイヨシノが満開になる頃」だ。
だが分蜂開始日が予想できたところで、それ自体はあまり重要ではない。その日しか分蜂が行われない訳ではないし、実際の分蜂のビークはGW過ぎで、知らないだけで周囲では頻繁に発生しているので、別に焦ることは無い。
ただ、この時を半年も前から心待ちにして準備してきているのである。毎日巣箱周辺をソワソワしながらチェックして歩く身としては、より正確な予定日が知りたい、とも思う。野生動物相手のことであり、どんな条件が満たされると分蜂するのかは判らないのが実情ではあるが、「気温」が最大の要因であることは明白だ。
では、どれほど暖かくなればミツバチたちの分蜂スイッチがONになるのだろうか。ここ3年の我が家の分蜂データ(2014年は越冬群なしで分蜂データなし)と気象庁のアメダスデータ(常陸大宮・上小瀬)から推定してみた。結果は、多少のズレはあるもの、ほぼほぼ次の通りとなった。(→以下はあくまで常陸大宮地域での仮説)
日平均気温の積算開始日を春分の日とし、次の①~③を満たす最初の日
①積算温度が180℃を超えた日以降で
②天候が晴れまたは曇りの日で
③風が弱い日(平均風速が2m/s未満、最大風速5m/s未満)
180℃越え 初分蜂日 差異 要因
2015年 4/11 4/18 7 4/11~15は雨
4/16~17は降雨無しだが強風
2016年 4/9 4/9 0
2017年 4/12 4/12 0
要はこの地においては、
春分の日からの積算気温が180℃を超えていれば、天気次第でいつでも飛び出すということだ。データが少なすぎるので汎用性がどれほどあるかは疑問だが、個人的には疑問が解けた気分でちょっとスッキリしている。このような数字を出して説明すると理論的で妙に説得力があるやに感じるが、所詮お遊びであるし個人的な目安である。間違っていても、かならずどこかで分蜂は起こるのでまったく深刻さはない。
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興味がある方は自分の地域のデータで試してみたら良い。
積算温度を調べるのに便利なプログラムが提供されている。
積算温度算出プログラム
地域の分蜂日(開始日も)は地図で大まかに公表されている。
ニホンミツバチ分蜂マップ
※積算開始を春分の日としたのは、ニホンミツバチは産卵から外勤蜂となるまでの期間は3週間程度で、女王蜂が産卵を本格化して分蜂できるまでの日数は恐らく同程度と考えられることから。自然界での一つの区切りとしての春分の日は、積算開始日として長期間過ぎず短期間過ぎず、丁度良い3週間程度前の位置にあるためでしかない。
あるいは3月1日からの●●●℃の方が正確かも知れないが、それも一つの考え方だろう。むしろどの時点で女王蜂が分蜂に向けて産卵を最大化させるのかが知りたい。