近所の古いお宅で、お屋敷回りの樹木の伐採工事が始まった。
広大な敷地には建物を中心に、竹林をはじめ幹回り6~7mはあろうかという大銀杏が数本、ヒノキ多数、築山の庭のツツジやツバキ、その他多数の果樹がある何百年も続く農家だ。
もう手入れができないということで、これらをすべて伐採・伐根するという。
この作業はまさに「工事」と呼ぶにふさわしいもの。初めて目にする大型土木機械が数台が搬入され唸り声をあげた。するとあれよあれよという間に木々をなぎ倒し粉砕してゆく。昔ながらの、まずは切り倒し、枝を払い、運べるように細切れにして・・・などという作業ではない。これらの作業を仮に人力だけでやっていたらおそらく何か月(あるいは何年)もかかるであろう。威力をまざまざと見せつけられた現場だ。孟宗竹の密集する林もこの大型機械にかかれば、上からチッパーのボックスを被せ、降ろしてくると粉々のチップになって見る影もなくなり、しまいには竹の地下茎程度の深さであれば容易に地中の根まで粉々にできる。まさにおそるべき粉砕マシン。ほんの数十秒の作業でとにかく圧巻である。
自然災害の復旧などにも大活躍する大型重機たちである。少子化・高齢化が進んでとにかく作業する若い実働人員が確保できない時代。ますます必要とされるのは間違いない。
ほんの数日で、あっというまに更地同然になってしまった。さっぱりしたのは間違いないが、昔から馴染んできたイチョウや竹林がなくなり見える風景がまったく新しくて、まだ戸惑っている。