2022年12月27日火曜日

丸洞巣箱のネット販売

今年もまた杉の木を伐採して、丸洞巣箱にするに適当な太さの丸太が入手できたので作成にいそしんだ。

直径が約30cmほどの丸太が一番適している。これ以上太いと重たくて取扱いに困る。細いと刳り貫くのが難しくなる。長さはチェーンソーの刃(ガイドバー)の長さとほぼ同じの35cmにしている。

初めて作ったころはなかなか思うように刳り貫けなかったのだが、最近では(決して簡単に・楽にではないが)割と短時間で貫通させることができるようになった。経験値が上がることによる要領というやつだろう。


今年は10個ほど制作した。内部を刳り貫いたといっても生木であるので重さはそれぞれ10kg以上ある。これを一年以上野外に置きっぱなしにして自然乾燥させる。するとだいたい6kg前後まで軽量化する。実際にミツバチ捕獲のために設置できるのはこの状態のものだ。



この乾燥過程でひび割れを起こすものがやはり少数出てくる。軽微なものはよいのだが、酷い割れ目ができたものは針金で縛り締め上げたりして使えるものは使う(杉皮の上に針金が巻かれて自然観を損なうが、あまりミツバチは形式美にはこだわらないと思う。自家使用分には全く問題ない)。それもダメな場合には残念ながら廃棄となる。

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ここ数年、譲って欲しいという方が毎年いて個別に対応してきた。今年の作業は、今後のこのようなニーズにできるだけ添えるように在庫を増やしたというたわけだ。一挙に10個も増えたわけだが、自家使用(設置して野に晒しておくだけ)しておけばよいのであるから気楽なものだ。決して不良在庫などではない。むしろ逆で全くの新品よりも使用実績・使用感あるもののほうが望ましい(ミツバチの入居確率がアップするのではないかという期待値が高い)という妙な商品特徴がある巣箱であるから、置き場所などいくらでもあるのでバリューを上げるには最適な環境だ。

今回、3シーズン使用してきた丸洞巣箱が手元に数個あるのでこれをネットにて販売を始めた。とりあえず準備できた3個をネットショップ 玉川里山はちみつShop にアップした。すべて入居実績(この丸洞を通して二ホンミツバチが入居してくれ捕獲できた)があるものだ。出品できるものがあと数個あるので準備している。

ミツバチ愛好家の中には一度は丸洞を設置してみたいとお考えの御仁もたぶん多かろうと思う。だがなかなか入手が困難な丸洞巣箱である。来季の分蜂シーズンはぜひこの丸洞巣箱で捕獲チャレンジしていただきたいものだ。(※捕獲率がグンと上がったりするものでなく、また捕獲を確約できる商品ではありませんよ。念のため)


2022年12月25日日曜日

やはり冬はこうでなくちゃ

記憶にある昭和30年代~40年代の子供のころの昔よりは、ずっとずっと暖かいと思う冬である。だが、今年は師走に入ってから寒い日が続いている。やっと安定して氷が張るような寒さになった。

寒いだけで雪のほとんど降らない当地なので、積雪の多い地方の方々のご苦労は頭では想像はできても本当のところの大変さは分かってない。TVで流れる各地の大雪映像や立ち往生のニュースを見るたびに、雪がない太平洋側の冬の生活の気楽さ、たとえば「毎日雪掻きをしなくて済む楽さ」を思う。真っ白に霜が降りたり、ため池の氷が一日溶けないなぁな程度で「寒い、寒い」などと言っている身が少々恥ずかしい。

とはいいながらも寒いものはどうしても寒い。だが、この寒さが里山の豊かさを作っているのだから我慢だ。




今年もあとわずかだ。

2022年12月15日木曜日

プラス遠赤外線効果

焼き芋はやはりじっくりと時間をかけ遠赤外線で加熱するに限る。

「紅はるか」と言う良い素材が持っている魅力を最大限に引き出してくれる。

薪ストーブの上に乗せた簡易な石焼き芋用の壺が大活躍している。


焼けた石に接した外側の皮はほんのりと茶色に焦げ香ばしくなる。半分に手折った時にはパリっと音などもする。口にする前から視覚と嗅覚と触覚で脳を刺激してくる。時短調理の茹で処理では決して味わえない。


この石焼きにすると外皮と中身の間に僅かな空間が生ずる。芋本体が水分が抜けて縮小するからなのだろうが、皮を剥いで食べる向きには都合が良い。無論皮ごと齧っても良いし、むしろ香ばしく焦げた皮と一緒に口にしたほうが美味いと思う。

サツマイモには多くのデンプンが含まれている。このデンプンが加熱されることで麦芽糖に変化。また、焼くことでサツマイモ内部の水分が抜け、相対的に糖度が上がる。この加熱には最適な温度帯があるようで、熱ければいいものでも無い。遠赤外線での長時間加熱がちょうど理にかなっているらしい。

仕事開始前に薪ストーブに石焼き芋壺を乗せて置くと数時間後にはちょうど食べごろになっている。

サツマイモ収穫の際に。キズ付いたり形が悪かったり、小さかったりした半端ものは捨ててしまうものだが、こうやって自分だけで楽しむ分には全く問題ない。

良いネ、こういうのも。このrichな時間はお金では決して買えない。

2022年12月14日水曜日

100年目の夜

水郡線は赤字路線である。

特に常陸大宮駅以北の区間は典型的な赤字区間。

先日のJR東の公表で明らかにされた厳しい現実は100円の収益を上げるためにかかっている経費は2千円を超えているというもの。

開業から昭和30年代までの当時の熱気は遠い昔の記憶になってしまっている。

そんな開業100年後の今宵だが、水郡線は黙々と走っている。

灯のともる車内に人影がほとんどないのがなんとも悲しい。

ガラガラの下り列車にチラホラ姿があるのは部活で帰宅時間が遅くなった高校生か、あるいは仕事帰りの会社員か。

漆黒の山間に浮かび上がる100のLEDライト文字を横目に、いつもと変わらず水郡線はきっちりと定刻に走ってくれている。警笛は寒空に寂しく響く。

冬の星座オリオンが東の空に昇ってきた。

youtube  =>>   玉川村駅を出た下り列車

2022年12月1日木曜日

ひとひらずつ散る山茶花

山茶花と椿は、いずれも多くの品種があるものの葉の様子や花の形がたいそう似かよっている。だがその違いは花の咲く時期と散り方のありように顕著だ。

山茶花は11月から12月にかけて開花し、花びら一枚ごとにハラハラと「散る」。一方の椿は大抵は冬から春先にかけて開花し、花の形のままポトリと「落ちる」。

我が家のこの純白の花弁の山茶花は、紅葉が終わりつつある里山の風景のなかでひときわ彩りを放っている。今日のような冷たい雨が降るなかでこの白く凛とした姿は清々しくもある。

わずかな北風で、あるいは雨粒の勢いでひとひらずつ散り落ち続けている。この眺めも少しの間だろう。