2022年9月28日水曜日

スズメバチに刺される

先日のことだが、玉川村駅そばの草むら(写真のとおり駅ホーム横の草むら)を刈払機を使って快適に刈り取り作業していた。
気分よく刈り進んできて、この杭に差し掛かった時のことだ。
一番手前の杭の根元部分が洞になっていて
スズメバチが営巣していた

洞と破壊したスズメバチの巣

まさかのスズメバチの急襲にあった。いちばん手前の杭の下部に空洞がありスズメバチが巣を作っていて、そこから集団が飛び出してきたのだ。この杭の根元部分を刈払機の刃が強く叩いたようだ。
このような背丈の草に完全に隠れていたことと、こんな杭に巣が作られたのはかつて経験なかったとこから、予想だにしない、全くの不意打ちだった。
ハチかどうかすら確認できないままにいきなり痛みに襲われた。しかも左手甲と頭頂部の2ヶ所を同時に刺されてしまった。尋常ではない激痛が広がりみるみるうちに腫れあがってきた。

これはまずいと感じて、しばらくの間じっと座って様子を見た。幸い気分は悪くならずアナフィラキシー症状も出なかったので一安心した次第だ(腫れと痛みは翌日迄続いたが翌々日にはほとんど無くなった)。毎年のようにスズメバチに刺されて亡くなったというニュースが伝えられる中、今回はたまたまかも知れないが大事に至らずによかった。家人にも心配をかけてしまった。

ミツバチに刺されることは毎年何回もあるが、スズメバチに1度に複数ヶ所刺されたのは初めて。翌日にスズメバチ退治スプレーで駆除した。閉鎖的な場所への巣作りしている点や死骸の様子から「モンスズメバチ」ではなかろうかと思う。

斯様に時に危険と隣り合わせの場面もあって細心の注意が必要ではあるが、大変だが楽しい田舎暮らしでもある。

2022年9月27日火曜日

9月の蜜源とハチたち

やっと天候が落ち着いてきた感がある。脱穀が始められそうだ。

ミツバチたちの巣箱の出入りは相変わらず盛んだ。最近はオレンジ色の花粉玉を付けて帰巣するハチが目立つ。

夏の名残りの花も多いが、いま盛りの「ホソバヒイラギナンテン」はミツバチが大好きな花のひとつだ。スズメバチもまた大好きなのでしばしば目にする。不用意に近づくと花の間から飛び出て来るので注意が必要だ。



紫蘇の花も好みで訪花しているハチの数は多い。


我が家では今年は栽培していないが近くの秋蕎麦の花も満開だ。幸せを満喫しているだろう。

よく周囲を眺めてみるとあまり目立たないものの小さな花もまたたくさん咲いている。この地では全く花が無い時期はほとんどない。よく出来た自然のサイクルだ。

2022年9月25日日曜日

天日干し米農家の憂鬱

なかなか晴れの日が続かないこともあって天日干ししている稲の脱穀ができずにいる。

一度雨に降られると最低でも3~4日は晴れの日が続かないと稲穂も藁も乾かない。それに田んぼの水たまり、ぬかるみも解消しない。

今日は朝から気持ち良い晴れ間が広がったが田んぼにたまった水は、このようになかなか抜けずにいる。

まったく天候次第の天日干し米の脱穀作業だ。

2022年9月18日日曜日

彼岸間近

今年の秋の彼岸は入りが20日で中日が23日。

墓の参道脇に彼岸花が一斉に咲き出した。


今年はピッタリのタイミングだ。

特定の日を名に冠せられ、早すぎても遅すぎても興醒めの花。勝手な人間の名付けと感傷でしか無いが、すこし可哀想ではある。

2022年9月15日木曜日

二日酔いに葛の花 ~ 救民妙薬

「救民妙薬」(きゅうみんみょうやく)をご存じだろうか(…偉そうに書いているが小生もつい最近知った)。標語やことわざのような四文字熟語だが、これは昔の本の名前だ。そして茨城と非常にゆかりの深い本でもある。この本は発刊された当時、世相にマッチしたこともあって広く人々に受け入れられ、以降長い間重用されてきた。著者は「鈴木宗與」というお医者さま。鈴木さんはある方から指示を受けてこの本を編纂した。 

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ある方というのは水戸藩二代藩主である徳川光圀。鈴木宗與とは水戸藩の侍医だ。藩主を退き西山荘に隠居した光圀は鈴木宗與に命じてこの本を作らせた。光圀は、病気になっても医者にかかれずただ寝ているだけの領民がいることを心配し、身近で入手しやすい薬を教えて領民たちを救いたいという強い思いから、薬草の処方を紹介した家庭療法集を作らせたのである。天下の副将軍、為政者としての立派な行動だ。

国会図書館提供のデジタルコレクション「救民妙薬」

この本は手に取りやすいコンパクトなハンディサイズで、397の薬草の処方、旅に携帯すべき薬などが紹介されている。水戸藩内のみならず藩外の人々にも読まれ、何度も改訂されたりしつつ版を重ね、明治・大正時代には活字本となって、病気の人たちの助けとなったという。

水戸の植物園公園では救民妙薬の植物のうちいくつかが栽培されており、HPに写真付きで紹介されている。水戸市植物園公園HP 水戸藩と薬草

現代の視点からみるとちょっと????なところもある内容だが、今日でも参考になる内容だと思う。まして昔は病を得ると神仏に祈るしかなかったのだから、人々はすがる思いで手にしたことだろう。科学的・医学的知識が乏しい時代における伝統的漢方薬や民間療法知識のエッセンスを、(一般大衆よりは)医学的知見のある藩医がまとめた普及版という位置づけなのかもしれない。

古来より長生きや健康などに関心があるのは中央貴族や上流武士などごくごく限られた階級くらいで、そこいらの一般庶民なんぞは生存すること、日々食べることだけで精いっぱいだったはずだ。多産多死が当たり前だった。近代に入って世の中がやっと少しずつ安定した江戸時代になって初めて、健康や長生きというキーワードが大衆的規模で意識されるようになった。町人が中産階級として台頭し、幕府より奢偧がたびたび禁止されるほど庶民の生活水準が上がった時期だ(元禄時代はちょうどそのころ)。この冊子が世に出たのがそんな時期に当たるわけで、時機を得たものだったようだ。

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397の処方の一つに、秋の七草のひとつである葛の項がある。先日のブログでは粉砕駆除対象の憎たらしい植物であり、見向きもしないものだったが。

いまがちょうどその花の時期。繁殖力がとても強く、樹々に絡まって一面を覆いつくすほどに広がる植物で、厄介者の典型だ。丸い大きな葉っぱで、弦はどんどん伸びる。電柱から電線に絡まり垂れさがったりしている姿もみなさんよく目にするだろう。とくに廃屋などに絡まっていたりするといっそう侘しさが募る。この近辺でもいたるところでやたらと目につく光景だ。薬として葛根湯は知っていてお世話になることもあるが、このすざましい姿を日常的にみる田舎住みの我々には、葛には良いイメージはない。やはり駆除対象である。

「救民妙薬」の目録130のうち、10番目の項にこの葛があって「酒毒には 葛の花 かげぼし 粉にして ゆにて用いてよし」とある。つまり陰干しした花を粉にして飲むと酒毒(二日酔い)に効く、と。これは比較的問題ない処方の感じがする。心あるチャレンジャーはお試しあれ。

※ミツバチ愛好家の一人として、397の中にハチミツが記載されていないのが残念であるとともに、不思議で仕方ない。ハチミツは当時から知られていたであろうに。怪しげな妙薬よりずっと受け入れやすかろうと思うのだが。

余談ながら113番目には「無病延命の術」なるものも載っている。詳細は記さないので、ご興味ある方は検索してみて、実践されてはいかが? なにしろ光圀公推奨の術であるからにして・・。

2022年9月6日火曜日

二枚刃の威力

今や刈払機、いわゆる草刈り機と呼んでいる機械は田舎住みの人たちにとって必需品となっている感がある。少しの雑草の除去は鎌を使って出来るであろうけれども、やはり田や畑の周囲などまとまった広さの草の刈り取りは動力処理する他はない。それも日常的に作業があるとなればなおさらだ。

草を切断する刈払機の刃の部分は、いろいろなタイプが揃っている。主流はチップソーと呼ばれる金属製円形ノコギリ刃だ。大抵の草を刈り取れるオールマイティのものだが石に当たると刃が欠けるし、普通に使っていても刃の摩耗も激しい。なので切れ味が悪くなると交換を要する。

ナイロン製ワイヤーというのもある。比較的柔らかな草の刈り取りに向いている。これは石に当たっても気にならないためそのストレスは少ないが、破断された草や巻き上げられる小石や土埃が酷く、安全のために作業者は重装備で臨まないといけない。硬い草、太くなった草は苦手であり処理が出来ない。

このように生えている雑草の状況や場所に合わせて刈払機を使い分けるのが常だ。

最近、新たなタイプの刃を入手して使い始めた。シュレッダーブレードと呼ばれる二枚刃の鉄の板だ。いわば鉄のナタが回転するような仕組みだ。Amazonで買ったオレゴン社製。

これは篠が密集した薮や、葛や藤、蔦が複雑に絡んで手に負えない場所を刈り進めるのに適している。カオス状の鬱陶しい薮を粉砕して、見事に切り拓いて行くのだから気持ち良い。なかなかの優れものだ。you tube → シュレッダーブレードで藪を刈り込んでいる様子

チップソーだと根元部分を切断して切り倒すだけなので、篠や笹が長いまま横たわる。だがこの二枚刃は上から振り下ろすのが主たる動きであるので、これらをバラバラに粉砕しながら刈り進む。足場に邪魔なものがあまり残らないうえ、チップソーでは蔦や葛がヘッド部分に絡まって作業が中断することも多いが、これは全くてよいほどない。絡みつく前に粉砕されてしまうのだ。

これはどちらかといえば草刈りというよりも「開墾」に適したものだろう。耕作放棄した田畑にセイタカアワダチソウなど硬い幹の草が密集した場所や、葛が激しく絡まった薮など、簡単に手を入れられなかった場所こそが威力の発揮場所だ。優れたパフォーマンスに驚きの連続だ。

葛の花が咲き出した

この二枚場、出番はまだまだありそうだ。