2021年7月21日水曜日

出穂始まる

 暑い日が続いている。まだ8月になっていないのに猛暑日やら酷暑日やらの気温が各地で記録されている。ここ数日は北海道地方が暑くて堪らないらしい。

かつて(半世紀ほど前まてか)は北海道では米作りは難しいというのが常識だったように思う。いつの間にか品種改良の成果と相まっていまや立派なブランド米の生産地となっている。この半世紀に起こっている変化は間違いなく温暖化だろう。そのうち本州以南では暑すぎて従来の農産物が旬の季節にちゃんと実らなくなるのではないか、などと心配もする。

我が家の田んぼの稲も順調に生育しており、一部に出穂(しゅっすい)が見られるところまで来た。あとひと月もすれば稲穂が首を垂れて、9月に入れば稲刈りの段取りを心配するようになる。早いものだ。



ここ谷津田の稲は品種はコシヒカリ。降った雨水と周囲の山から染み出る水だけで育っている。ここのコメには「安心して食べられる」というプレミアムが付く。他の場所で育つ同品種のコメと基本的に味に違いはないはすで、人の舌ではその違いは分からないに違いない。だが、育った環境や背景を知ったうえで口にするとまったく別物になる。

この谷津田のように生活雑水を含む水が一切入らない田んぼというのは、周囲を見渡しても極めて稀である。大規模農家の大きな田んぼは間違いなく河川から取水した農業用水を流し込んでいる。それほど大規模の田でなくともほとんどの田で使用する水は人間が使用した生活雑水が流れ込んでいる川からのものだ。河川からの取水で無くても直ぐ傍に家やゴルフ場など人工的な施設があるケースがほとんどである。

この谷津田のコメに確かなことは、田に流れ込む水が染み出る山々には人工的なものが一切ないため極めて清浄な水で育っていることと、農薬も田植え時に殺菌・防草剤一回だけに限って行っているということ。ついでに言うと天日干しして自然乾燥しているコメであるということ。

いろんな生き物が生息している田んぼ

クモが巣を張っている

生産者としては、間違いなく安心して食べられるコメである点では断然優位に立つと思っているのだが、出荷すると同じ扱いされるのが残念で仕方ない。我が家で消費するコメは全てこの田んぼのコメだ。

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