寒くなってきた。
原木のシイタケがなんとも元気が良い。
菌の生長には、この冷涼な時期が適しているようだ。
100本ほどの原木が並んでいるが、ほとんどの木から生えている。
となると、いちどに大量に収穫できる日が多々ある。
生のシイタケは自家消費にも限度があるので、そのようなときは天日乾燥させている。
シイタケにはエルゴステリンとグルニア酸なる物質が含まれている。
前者は日光に当てるとビタミンDに変化する物質。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので、日に当てたシイタケを食べると骨が強くなる。
後者は、うま味成分の素であって、そもそもシイタケに多く含まれている。シイタケを日に当てて乾すと菌糸細胞が壊れることで外にグルニア酸が染み出やすくなるという。しかもグルニア酸は熱を加えると増える性質があるので煮ものに最適である。干しシイタケを煮しめにするとたいそう美味いし、干しシイタケの戻し汁を調理に加えるのはこういった科学的な理由があってのことだ。
だが、そんな小難しい化学物質名やら仕組みなど知らなくとも、シイタケを日に当てると栄養価が高まり旨味が増すということは(親から聞いたか、家庭科で習ったかで)知っているはずだ。われわれ一般人はそれで十分だ。
先人たちはずっとそれでやってきた。美味いものは美味いのである。
初冬の陽射しを浴びた我が家の収穫済みシイタケは、今日もザルの上でビタミンDとグルニア酸を量産中である。
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