2023年1月1日日曜日

冬の色

冬の色というと、色彩心理的にはたいていのひとは冷たさ・寒さのイメージのために、雪の白やどんよりとした降雪の空のグレイ、あるいは透明感のある銀色などをイメージするのだろう。

ここ茨城北部で実際に毎日目にする冬の風景では、残念ながら白もグレイも銀もあまり縁がない。雪はあまり降ることはないし、氷もそんなに常時あるものでもない。霜が降りた日は真っ白になるが日が昇ればすぐに消えてしまう。周囲の里山は(この辺りでは)落葉樹が多く、葉っぱの落ちたソネ・コナラなどの木々が寒々と立っている風景が一般的だ。あまり目立つ色とてない、どちらかといえ濃淡ある茶色といった風景だろうか。空には冬の太平洋側の日常で澄んだ青空が毎日広がる。そういう意味では、冬によく目にする色彩は「薄茶」なのかもしれない。


だが、こんな環境で育ち日々野山を散策している身として、冬の色を挙げるとすれば「赤」だ。南天を代表としてクロガネモチ、ピラカンサ、ナナカマド、センリョウなどなど。里山の内部にも、名も知らぬ木にも赤い実をつけるものは多い。群生しているようなものではないので数はけして多くないが、いたるところで少しずつ確認できる。しかもこの赤い実はかなりの期間、目にすることができる。ひっそりとだが、チロチロと燃えているような赤い実たち。

名前がわからない小さな木だが可愛い赤い実をたくさん付けている

やがては鳥たちの格好の餌となることになる。それが子孫繁栄の生存戦略。いまがいちばん命が輝いている姿なのだろう。よって「赤」い実に愛おしく力強い生命力を感じてしまう。冬の色は断然、赤。

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