2017年7月31日月曜日

アカリンダニ注意喚起文書

先日、茨城県県北家畜保健衛生所から手紙が届いた。

『西洋ミツバチでアカリンダニ症を確認!』との表題の文書で、今年6月に県北地域で西洋ミツバチでアカリンダニ症を確認、飼育中のミツバチに症状がみられた場合には家畜保健衛生所まで連絡をお願いします、とある。茨城県県北家畜保健衛生所からこのような手紙が届くということは、茨城県でも看過できない事態になってきているのだろう。なんとも困ったことだ。当地ももはや他人ごとではない。

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ニホンミツバチを飼っている人の大半が見ているであろうサイトが2つあって、小生も毎日のようにアクセスして情報を得ている。非常に参考になるサイトだ。
 ①京都ニホンミツバチ週末養蜂の会が運営する『ミツバチQ&A
 ②ニホンミツバチ飼育の情報交換サイト『8ちゃんねる

これらを見ていると全国各地でニホンミツバチのアカリンダニ被害が発生していて、対策に頭を悩ませているのが良くわかる。
我が家でも、昨年夏から今年の春までに巣箱が空になった・逃げられたというのは、気が付かなかっただけで、アカリンダニの影響があるのかもしれない。
・・・という不安もあって、アカリンダニ予防に良いとされる『クリスタルメントール』は春先に早々に入手してあり、今シーズン入居中の全ての巣箱にセット済みだ。

このアカリンダニ問題は、ニホンミツバチ・西洋ミツバチを問わず、ミツバチが激減してハチミツが採れなくなるという話ではない。花粉受粉する植物、とくに農作物の出来に大きく影響が及ぶことのほうが問題で深刻だ。小生にとってのような趣味や楽しみとしての養蜂ができなくなるということなどは、取るに足らないことで全社会的にみれば極めて些細なこと。だが個人的には精神的なダメージは深刻。間違いなくハチロス症になる。
・・Orz。

2017年7月25日火曜日

出穂を迎えた田んぼ & ミツバチ

田んぼでは、稲の花が咲く時期=出穂(しゅっすい)を迎えている。
稲の花
稲は花粉媒介を風の力を借りておこなう『風媒花』。蝶やハチなど昆虫の力を借りる必要もなく花は色鮮やかである必要がないため、ひっそりと咲く地味な白い花だ。
稲は、雄しべの花粉が同じ花の雌しべに付いて受粉する自家受粉の仕組みを取っているので、風さえ吹いて花粉が少しでも飛べば大丈夫で、広い田んぼで同時に一気に花が咲く稲にとっては、昆虫の訪花に左右されず安定して実を付けられる仕組みだ。じつによくできている。

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田んぼの周囲の雑草の背丈が伸びてきたので草刈りをしている。
9月上旬の稲刈り・収穫までにあと2度ほどこの草刈を行わないといけない。暑い最中の作業だ・・(´Д`)ハァ…。
田んぼの周囲の草刈りも大変な作業だ
 草刈りをした田んぼのすぐ近くに置いた巣箱(捕獲用待ち箱)にミツバチが入居しているのを発見した。正直なところあまり期待をしていなかった場所で点検確認もしばらく行っていなかったので、草刈りに訪れるまでひと月ほど気が付かずにいた。
捕獲用巣箱から本格的な巣箱に取り換えた
こんな場面にいきなり遭遇すると嬉しくなってしまう
内部を確認すると既に10センチほど巣が作られていて、入り口にはミツバチが盛んに出入りしている。入居時期が遅いために巣がまだ小さく、今年の採蜜はできそうにないが、今後の楽しみが一つ増えた。逃げられることが無いよう大事に見守り、来年の分蜂シーズンに向けてこの群れを維持してゆくつもりだ。

こんな予想外のドラマ・ハプニングもあって、なんともウレシく、楽しい毎日だ。

2017年7月17日月曜日

キュウリは茹でて喰うべし

キュウリが旬だ。
炎天下の畑から捥いだ採りたてのキュウリは、チクチクの棘が残っていて瑞々しいことこの上ない。調味料やドレッシングなど何も付けずそのままかぶりつくと太陽の味がして美味い。豊かだぁ~贅沢だぁ~とひとりごち。なにより自ら育てたものは無農薬。安心して口にできるのがウレシイ。
採れたての生。新鮮。そのまま。
それが素材本来の味が堪能でき、一番美味いものだと長年信じて疑わなかったのだが、プロの料理人の世界では少々違うらしい。
(知らなかったのは小生だけかもしれないが)新鮮な驚きだった。

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

キュウリは熱湯に入れさっと(10秒~1分)茹でることで、表面の緑色が鮮やかになり、弾力のある食感に変わり、表面の雑菌を除去できる、とのこと。和食の料理人にとってはこの下処理は一般的らしい。

素人の我々には、茹でたりするとせっかくのパリパリ感・瑞々しさが無くなりそうな気がするがそんなことはないそうだ。
詳細はこちらをご覧いただきたいが、単なるキュウリの塩もみにしてもこのようにすると食感の違いは歴然だそうな。
( → まだ自らこの方法を試していないので、『~らしい』たら『~だそうだ』の表現ばかりだ)
そんなに面倒くさい下処理でもないし、おそらく失敗もないものだろう。
是非お試しあれ。

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

ことはどうやら『食感』の問題だけではないようだ。むしろ食中毒の予防にあるようだ。
というのは、キュウリは表面に小さな凸凹が多いことに加え、水を弾くクチクラ層があるために雑菌を洗い落すのが難しいらしい。つまりキュウリは水道の流水でゴシゴシと手で擦って洗ったくらいでは雑菌だらけであり、そのまま生で食べるには安全でないということだ。見かけの泥・ホコリは取れるにしてもだ。コワい。
(→ きゅうりのいぼいぼは菌の塊り) 
(→ きゅうりが食あたりの真犯人)

キュウリに限らず、店頭で売られている野菜は生産現場から多くの人の手を経てきている。それぞれの現場でどのような扱われ方をしてきたのかは知る由も無い。
キャベツやキュウリなど生食が基本のものも裸で店頭に並べられることがほとんどなわけだし、店員や不特定多数の顧客が手に持って触るわけだ。そう考えるとこれらは不衛生極まりないものに違いない。他の生鮮食料品が衛生的にパック詰めされたりしているのに較べるとガードはとても甘い。
キャベツは表面の葉は捨てて中の部分を食べれば良いが、キュウリはそうもいかない。水洗いで雑菌を十分に落とせないとなれば、食中毒を避けるには専門業者並みに塩素処理するか、あるいは家庭で簡単に出来る『茹でる』しか方法は無いのかもしれない。いずれにしても食べる人がこのような実状を理解したうえで、自衛せねばらなぬ問題である。
現にキュウリの食中毒は度々起こっているから怖い。
(→ こちら ) 

そういえば昭和30〜40年代の子供のころは、キュウリは『塩もみ』したもの(・・・たしかキュウリ揉みと呼んでいたもので、酢が入っていて酸っぱかったり味噌風味のものだったりした)しか食卓に上らなかったことを思い出した。
これはキュウリを薄く切ることによって表皮の凸凹部分をなくし、十分に塩もみしてクチクラ層を破壊し、水で洗うことで、表皮に潜んでいた菌を極力除去していたのである。先人たちは科学的な理屈は分からなくとも代々受け継いできた知恵で食中毒を予防してきたのだと、今になって理解、ガッテンした。
長じて、前述のように何も気にせずにまるのまま生食しても何も起こらなかったのは、自家生産のキレイな野菜だからということもあろうが単に偶然の幸いでしかないのかも知れぬ。あるいは発症していても気にならぬ・気が付かぬくらいの軽度のものだったかだろう。

とはいえだ。自家生産生野菜を安心して口にできるというのは至上の幸福に違いなく、貨幣価値に置き換えは無理。だからね、里山生活っていうのは・・・(以下略)。

2017年7月11日火曜日

玉川里山はちみつ採蜜 今年の見込み

先日(7/9)、日本テレビて放映されたTOKIOによる「新宿DASH」は、新宿御苑に生息するニホンミツバチの話題だった。
新宿御苑内の松の木の洞に自然巣を作っている姿を紹介していた。
一見、大都市の真ん中でミツバチが生息できるのか?と思うが、新宿御苑のあれだけの広大な自然林があるので十分自生できるのだろう。銀座のビル屋上でも(こちらは西洋ミツバチだが)養蜂が行われていて、皇居や日比谷公園、浜離宮が近いため十分な蜜が集められるらしい。話題性としては十分だ。

この番組を見ていて、知人から聞いた十数年ほど前のことだったという話を思い出した。
当時彼が勤務していた(新宿御苑から近い)新宿三丁目交差点角にあった某銀行支店で、5月のある日の昼に窓ガラスにハチの大群が固まりを作ったことがあったという。分蜂群による蜂球である。とにかく人通りの多い場所で、かつ出入りの激しいATMコーナーすぐ近く。いきなり現れたハチの大群、黒々とした塊りに周囲はパニックになって、騒然としたらしい。区役所やら保健所などに連絡、駆除を依頼したり、通行人が近寄らぬようにロープを張ったり、支店の人が大変だったとか。
誰か一人でもニホンミツバチの習性を知っていれば、落ち着いて対応も出来たろうにと思うが、無理からぬことだ。
その後、人々の騒ぎをよそにほどなくして飛び去ったという。巣の適地を見つけたのだろう。(・・とにかく薬剤などで駆除されなくてよかった。いまの小生であれば、場所が近くであったなら捕獲に馳せ参じたいくらいだ)
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今年の捕獲シーズンはほぼ終了し、現在のところ11群れを飼育・管理している。
それぞれの巣箱では、巣作りも順調に推移しており、来月後半あたりから順次採蜜ができる見込みだ。
嬉しいことに、昨年採蜜した『玉川里山はちみつ』は全て早々と完売した。
今年もリピートのお客様からはご予約も多数いただいており、既に今シーズン採蜜見込み量の半分近くに達している。
加えて、昨年から新規取引を交渉中のあるスイーツ店では、スイーツの材料として利用してみたいとのことで、パティシエの店長さんから大口納入を打診されている(ある程度採蜜量の見通しが立ってからでないと返事できないので回答保留中だ)。

昨年たびたび発生したように、夏場の採蜜後に突然逃去していなくなることも普通にあり得るのでまだまだ安心はできない。常に大きな逃去リスクを抱えている(この息苦しいまでのギリギリ感と、リスク低減に向けた知恵の出し方がニホンミツバチの楽しさでもある)。どこまで拡大する皆さまのニーズに応えられるか甚だ心配だ。なんともウレシイ心配なのだが、楽しみにお待ちいただいている方々への責任もあるので、十分に注意しながら、慎重に蜜を取っていきたいと思っている。

ということで、今年はご予約いただいている方へのお渡しを優先したいので、現見通しでは販売を委託している各店舗に卸す分(店舗販売分)は数量がかなり限定されることになりそうである。
こればかりは自然の生き物相手のことゆえ、仕方ないとはいえ、誠に申し訳なく思います。今後次第ですが、見込みが(上振れて)外れることを祈ります。