2024年9月15日日曜日

スズメバチ猛襲 被害続出

稲刈りの作業に追われるあまり、ミツバチの巣箱の見回りが後手に回ったツケがきた。

気にはなっていたがスズメバチの飛来が増えていたのに金網を張るのが遅れたことで、今月末に蜜を採る予定にしていた巣箱が全滅の被害にあった。それも3箱も。。

今日見回った巣箱の入口はこんな状態。

しかるべき身支度と道具を持っていないと迂闊に近づけないありさまだ。きっと巣箱内部はやつらに食い荒らされ、群れは逃去してしまっている。

毎年繰り広げられるこの残念な事態に、何も手をこまねいているわけではない。
それらの対策もけっして完ぺきではないので、残念な巣箱がいくつか出てくる。
起こってしまったことは仕方ない。
冷静に受け止め次の被害を最小限に抑えることに専念しよう。
それにしても憎っくきスズメバチだ。

2024年9月8日日曜日

今年は倒れた稲が多い

昨日こそ 早苗とりしか いつの間に 稲葉そよぎて 秋風の吹く
                (古今和歌集 読み人知らず)
=>>昨日、早苗を取って植えたばかりであるのに、いつの間に稲葉がそよいで秋風が吹くのであろうか。

新米が出回り始める時期となった。だが巷間では「米不足」とのニュースが囂しい。
品薄とか無くなりそうだと耳にすると、いきなり不安が極度に急激に高まる日本人の習性。

農家だから米は手元にたんまりあるのだろうと考える向きもあろうが、決してそんな事はない。自家消費分と個人的な販売ルート分を除いては出荷してしまうため収穫期を除いて余分な米は手元にないのが普通である。よく考えれば理解できるはずだ。
生産の現場と消費者の距離が遠くなって久しい。食べ物を口にできるまでにどれだけたくさんの人(生産・流通・販売の業者)が携わり、苦労があるのかが想像できなくなっている人が多いようだ。
米に限らず農産物は工業製品では無いので、需給を見てタイムリーな生産=増産をすることはできない。
特に米(水稲)は作付け準備から収穫まで長期間にわたり、その間の自然環境の影響を著しく受けるということがある。それらの対策をするにしても限度がある。今年でいえば、台風の強風、多雨、異常高温がある。それらをなんとか乗り切っての稲刈りだ。
今年は特に稲が倒れた田んぼが多いように感じる。

倒れた稲の刈り取りは時間との勝負でもある。稲穂が湿った土や水に触れていると発芽してしまうからだ。そしてベタッと完全に倒伏してしまった稲は機械ではなかなか刈取り出来ないから厄介だ。
大型の高性能機械(コンバイン。収穫:稲刈機能と脱穀機能と選別:籾だけの取出し機能が備わった)だとパワーがあるので無理やり処理ができるのだろうが、小型のバインダー(刈取ってヒモで束ねるだけの機能)では極めて難しい。
なので人力でひと株ずつ刈り取って縛ることになる。泥濘で悪戦苦闘する。
これぐらいは大丈夫かと考え、ちょっと無理してバインダーを入れると稲穂も、田んぼも、機械そのものもが「よぐよぐ」(=悪い状態)になる。合わせて生産者のメンタルもだ。
我が家でも(部分的ではあるが)倒れた稲と泥濘に苦労しながら稲刈りを続けている。

いま至るところで見られる稲刈り作業。見事にキレイに全面倒伏している田んぼも目立つ。
田んぼで稲刈り作業を見かけたら、作業の苦労を少しだけ思い出してくれたら幸いである。
すぐに食べられる状態のキレイな白米は、そんな姿では田んぼに置かれていないのだから。

2024年9月2日月曜日

二百十日の稲刈り

台風接近に気を揉みながら、今年の稲刈り作業が31日から始まった。まさかの二百十日だ。
実りが早まっていたことに加えて、既に一部の田んぼで稲の倒伏があり、これ以上待てない事情があった。
台風が遠く離れた場所にあったときからその影響らしい雨が降り、田んぼのコンディションは良いとは言えないが決行である。
そもそも蒸し暑い上に泥濘に脚を取られて消費する体力は倍以上だ。稲刈の機械にも余計な負荷がかかる。作業中に天気が急変し稲妻が走って雷雨に見舞われる事も。天日干し方式で乾燥させているので稲架作りも重労働だ。

濡れた稲束を抱き抱えて運び、稲架に吊るす。当然身体は泥だらけになる。しかも水滴は身体を下り降りてゴム長靴の中に入り込む。いやはや、なんとまぁ大変なことか。
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既に自家・自力での稲作を諦めて農協にすべての作業を委託している農家も多い。
農協は大型機を駆使しての一気呵成の作業だ。委託料は馬鹿にならないと聞く。農家にはいかほど手元に残るものなのかしらん。
大型機械を駆動して収穫し、そのあとは専用の乾燥機で大量の電力を使って短時間乾燥させる。必要以上に環境負荷がかかっているのが実状ではないかと思う。
農家としては耕地を荒らさないだけ良い、との気持ちなのだろう。
委託を受けた利益追求の業者JAとしては当然の省力化・効率化の為の手段だ。

だが、このやり方ってサスティナブルではないという思いが強い。
百歩譲って持続可能はともかく、自然に合わせて育て収穫したお米は見た目は同じ「米」だが粒に詰まったストーリーは全く違うという矜持はある。

など想いを巡らしながら休憩していると、万歳をしながら「頑張って!」と声援を送ってくれているザリガニを見つけた。(声援よりも威嚇だろうな、たぶん)

稲作には迷惑な奴らだが可愛い。
自然の中にいることを実感する。
泥だらけで疲れても妙に爽やかで充実した時間だ。