2024年7月12日金曜日

「そそっぺ」

古語や死語になりそうで絶滅寸前の茨城弁をまたひとつ紹介したい。

今回のこのことばも、ある年配者が会話の中でいきなり使って(まさに不意打ちだった・・)ビックリするとともに妙に嬉しくなってしまったものだ。ごく自然で違和感ないところを見ると彼の生活ではまだまだだ日常的に使われている現役のワードに違いない。

「そそっぺ」

これの意味がわかる人は高齢者を中心としてまだ一定数いるだろうが、実際に正しく会話の中で使う・使える人は少ないと推察する。

広い意味としては、標準語の「ぞんざい」が近いか。「雑」や「下手」、「乱暴」とかの意が強めで、心がこもっていない状態や行為を表す際に使うようだ。だが、小生の感覚、狭義としては「丁寧でない字」や「悪筆」という意で、文字を書くことに関連した形容に使われることが多いワードと思っている。さて皆さんの理解はどうだろうか。(自身が過去に使ってきた感じとして)次のような使用例しか思い浮かばない。

【例】 こんてなそそっぺだど読めめ
   (こんな心がこもっていない・下手くそな・丁寧でない字では読めないよ)

 ※読めめ =  読めまいの茨城式の転化。「まい」は否定的な推量を表す

近時、手書き文字を他人に渡す機会は少ない。ワープロ・パソコン等が無く文字を手書きするのが当たり前の時代においては人へ正しく用件を伝えるためにはちゃんと読んでもらえる文字を書くべしという常識があったことからきている言葉であろう思っている。この前提に立てばこのワードの使用頻度もおのずと低くなるわけだ。読み手が読みやすいように(下手でも良いが)丁寧にココロを込めて書きなさいよ、という人として大切な教えも背後にあったのであろうか。なかなか深いよなぁ、茨城弁って。

小難しいことを言うと、きっと粗略の意の「粗粗」に、筆致の意の「筆」が付いた「粗粗筆(そそぴつ)」なる単語があって「ぴつ」が「ぺ」へと口語転化してきたのだろうなどと思っている。

ちょっと雅で、難解で、格調高い漢語調の単語を取り入れごく自然に日常会話とする茨城弁、素敵すぎる。。ホントのところはしらんけど。

茨城弁、奥が深いです。

ミソハギもヒマワリも元気だ
ミツバチがたくさん訪花している


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