2023年5月22日月曜日

チョットコイと鳴く鳥 コジュケイ

野山の緑が日々濃さを増す中で麦の色だけは黄金色に色づく。いい時季、いい眺めだ。


一方で周囲の雑草も生命力が漲り、元気いっぱいに伸びを競っている。おかげで草刈りの毎日が続いている。
先月刈り取って以降に伸びた雑草は、まだ茎も硬くなっておらず刈り取りは比較的楽だ。とはいえ範囲が広いので決して楽な作業ではない。だがスイスイと進んでゆく。

伸びた雑草の中に、しばしば抱卵中のコジュケイがいるのに出くわす。ちょうどいまが産卵の時期でこの草叢の中で卵を抱いているのである。野鳥の生息・繁殖に適した良い環境、という証でもあるのだが、草刈り時にはちょっと困るのも事実。
コジュケイの鳴き声は「チョットコイ、チョットコイ」と聞こえるので、姿は見たことはないとしても聞いたことはある人も多いだろう。
外敵から身を隠すのに程よく伸びた草は産卵・抱卵にちょうど良いのだろう。加えて親鳥の羽の色も保護色のように茶色の斑縞模様だ。ちょっとすぐには見つけにくい。

刈払い機が出す騒音は相当なものなのだが、すぐそばまで近づいても親鳥はなかなか逃げようとしない。そこに巣があること・親鳥がうずくまっていることに当方が全く気が付かないことも多々ある。最悪のケースでは、巣を・卵を・ある時には親鳥までも傷つけてしまうこともある。コジュケイにとっては突然降りかかった災難に違いない。

この日は幸いにも直前で気づき刈払い機の動作を止めた。
そんな時には、「ゴメン、ゴメン」と言いながらその周囲だけ刈り残してその場を静かに立ち去る。草の刈り取りなどは、後日幼鳥が巣立ってからでも問題はない。
抱卵中のコジュケイ
幸いに傷つけずに済んだ

子を守る親の愛。かれら野生の生き物の本能のなせる業かもしれないが、必死の形相で当方を睨む親鳥の姿を目の当たりにすると、感動ものだ。

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