2025年6月22日日曜日

夜のコンビニの誘蛾灯

都会ではきっとこの悩みは少ないのだろうと思う。

この時期からしばらくの間、夜間に車を走らせているとおびただしい数の虫がライトに照らされ、車の前部にぶつかる。たいていの場合、彼らは激突死する。翌日、フロントガラスやライトのガラス部分にこびりついてパリパリになった死骸を取り除くことになる。

可哀そうではあるが、毎夜当たりまえのように繰り返されることなので、こびりついた彼らに対してすでに特別な感傷はない。ないのであるが車体が汚れる・フロントガラスにこびりついて取りにくいなど、ちょっとした悩みではある。走っている車に衝突する彼らの場合は「飛んで火にいる夏の虫」ではなく、闇の中をフラフラ飛んでいるところ車が走ってきてぶつかられたのであり、完全に災難と言える。・・受難。
なにも道路の真ん中あたりを飛ぶこともあるまいになあと思う。

蒸し暑い時期の田舎というのは、道路に限らずそこら一面にかなりの密度で虫がウヨウヨしているということだ。これも豊かな生態系と言える。

上記の話しは、彼らが望んでいないのに車のライトのほうが近づいてきて即死するケースだが、次のケースはまさに自ら灯りに飛込んでいって自死するケースだ。

この誘蛾灯のバチバチ音は我々でもびっくりする。コンビニとしても店内に虫が入り込まれると厄介だろうから、このような自衛策をとらざるを得ない。とはいってもこれだけいるのだから侵入を完璧に防ぐのは無理だわ・・。。

夜のコンビニの風景。。。田舎ならではの音と映像である。

2025年6月19日木曜日

ことしも樹皮を剥いでいる

ある工房からの依頼でヤマザクラの樹皮を毎年集めている。もう10年近くなる。

ある特殊な用途にお使いのようである。国内産の物で一定レベル品質の樹皮を、安定して調達する必要があるとのことで、毎年作業してお届けしている。

樹木が水分を盛んに吸い上げて皮が剝がれやすくなっている梅雨の時分のタイミングを見計らって作業している。これ自体はとてもシンプルな作業ではあるのだが、ヤマザクラの樹皮なら何でもいいという訳ではなく、厳しい品質の要求条件があるのでそれを満たすための苦労がいくつもある。

ひと口に「ヤマザクラ」と言ってもいろんな種類があるのをご存じだろうか。この作業を始めてから知ったのだが、花の色も違えば咲く時期も微妙にずれがある。樹の植生形態(生え方・樹形)にも違いがある。当然にその樹皮の色目もザラザラ具合もみな違う。要はとても多様であり、樹皮が容易に、キレイに剥げる木の種類は実は数が少ないということを知った。近年やっと判別できて、量が一定数が確保できるようになってきた。

最大の苦労はその木を探すこと。そのような樹はそうそう生えているわけではないし、まして一度皮を剥いでしまうとその樹からは相当期間、皮は剥げない。再生は難しいようだ。そして剥ぎ方を誤って厚く(深いところまで)剥いてしまうと樹として大切な維管束部分も切り取ってしまうので枯れてしまうことになる。
なので広範囲に山中を歩き回り、条件に合う樹をいかに沢山見つけるかが最初のポイントになる。幹が細すぎるものは対象外だ。皮は一定の面積(つまりは幹回りが太いことが条件となる)が要求されている。この目星をつける探索作業は冬の期間にやっている。

そして今の時期になり、脚立・袋などの作業用道具を抱えて藪に覆われた急斜面を歩き回るのである。体力がいる。暑い。けっこうつらい。

一枚のまとまった面積の皮が欲しいので、途中で切れてしまわないように、作業は集中力と忍耐、繊細さが要求される。


迷子になりそうなくらい藪だらけだ
作業中に小さな虫が目をめがけて飛んでくるので実に鬱陶しい

切り取られた樹皮は乾燥させる作業に入る。そのまま放置するとクルクルと丸まって固まってしまうので、水分がある生のうちに、平らになるように段ボールに挟んで重しを乗せ、乾かす。約二月間は置いておく。そうして十分に乾燥させた樹皮を成型してやっとお渡しできる品物となる。

ざっとこんな感じになる。この時期にしかできない仕事だ。大変な作業でも、これをどうしても必要とする人、喜んでくれる人がいるのであり、とてもやりがいがある。

自家所有の広大な山林があるからこそできる。面白くてやめられないでいる。ここ里山は宝(金銭的な価値だけではなく、精神の充足感・充実感を提供してくれているもの)に満ちている気がしてならない。気が付かないでいるのがもったいない。

2025年6月9日月曜日

玉川里山はちみつショップ CAFE Ma.Min

我が「玉川里山はちみつ」の販売チャネルがまた新たに増えた。JR水郡線・玉川村駅前にこのたび新規開店した「CAFE  Ma.Min」様にて取扱いしてくださることになった。




はちつみコーナー

店内の様子

こともあろうに長期低落、衰退傾向にある玉川村駅周辺において、およそこの田舎の街並み・風景にふさわしくない洒落た外観で、「コーヒーを愉しむお店」が新たに出現したものであるから、地元界隈ではもっぱらこの店の話題でもちきりだ。

話によればメインのコーヒーのほか「さつまいも」を中心としたスイーツも扱うとのこと。であればだ。この店舗が想定している客層はきっと甘いものに並々ならぬ興味関心をお持ちの方々(主に女性であろうと推察)と踏んで、はちみつを置いてくれるように交渉した次第。

このカフェのような新たなチャレンジが、閉塞感あふれるこの地域に何らかの良い刺激を与えてくれればよいなあと思う。頑張って欲しい。


2025年6月5日木曜日

2025年 梅仕事ス

青梅の季節。梅の収穫の時節。今日の晴れ間を待って梅を収穫した。

今年の梅はまずまずの着果で、ある程度の収穫量を確保できてほっとしている。昨年がひどすぎたからなおさらだ。青梅特有の香りも、実の色も、表面を覆う細かな毛も、この収穫したてが一番素晴らしい。小さく丸いフォルムもまた良い。なんだかこの丸い中に宇宙が詰まっているような気さえする。


匂い立つ黄緑  美しい・・・

新鮮なうちに、梅仕事にとりかかった。今年も「青梅のはちみつ漬け」を作るべく梅の実を選別し洗った。

医食同源。食べ物こそ何よりの薬。梅干しや梅酢、梅酒など梅を素材にした健康食品は多い。夏負けに古くから伝わる立派な医食同源だ。

🫒  🫒  🫒  🫒  🫒  🫒  🫒  🫒

そうそう、昨晩ホタルが灯りを点滅させながら飛ぶ姿を見た。今年の初見だ。季節は夏に向かって一気に進んでいる。

2025年6月3日火曜日

春ウコンの花

ミツバチ巣箱を置かせてただいている方の畑の傍らで初めて目にした花がある。その植物は「春ウコン」。

草むらの中にあるピンクの花が「春ウコン」
後方のビワの樹下に巣箱を置かせてもらっている

桃色の花びら(ほんとうは花びらではないらしい)が地面近くにいくつも出ている。何度もこの場所を通り過ぎているがまったく気か付かずにいた。低い位置に咲いているので緑の雑草の中に埋もれていていて気付かれずにいることが多いのだろう。でも花はなんとも可愛らしい。


家の方に伺うと、何十年も前に先代が植えたものらしく、植えてあるのは知っているものの掘って食用にしたことは一度もないとのことだ。たからかいつも刈払機で花の時分に雑草と合わせて刈り取られていたようだ。

秋ウコンの根はカレー粉のターメリックの原料となるようだ。だがこの今の時代、漢方薬としての利用もさることながら個人で秋ウコンの根を食べようとする向きはほとんどいないのではないか。

またひとつ(無用かも知れぬが)知識が増えた。