2011年6月19日日曜日

ツバメの営巣(巣作り開始から44日目)  そして桜桃忌

5月7日にツバメが巣作りを始めてから44日経過した。
雛が5羽生まれ(良く見ると4羽ではなく5羽であった)、親鳥が頻繁に餌を運ぶ姿をしばらく観察してきた。

巣から落果する糞も増え、鳴き声も大きくなりにぎやかになりつつある。
巣を乗り越えて餌を求める姿も徐々にはっきりと確認できるようになったので、成長した雛の写真を間近に撮影してみた。
またもや、親鳥がいない隙を狙った盗み撮りである。
もはや巣からこぼれ落ちそうなくらいに大きくなっている
窮屈そうだ

食べ盛りの5羽をかかえた親はたいへんだろう
親鳥は不公平が無い様に与えている、という小学生の研究があった

このくらいの大きさの箱では間に合わなかった

クチバシには既に黄色はほとんど無い。
羽根も黒々としてきており成鳥とあまり変わらない。
巣立ちの日も近いのだろう。
この餌を必死にねだるひな鳥たちを見ると、逞しい命の躍動感を感じる。

        

今日6月19日は桜桃忌だ。
太宰治の誕生日でもあり、玉川上水で遺体が見つかった日でもある。

彼が生まれた1909年(明治42年)の青森・北津軽郡金木村の今日も、
遺体が上がった1948年(昭和23年)の東京・三鷹の今日も、
このようにツバメの雛は生きようと必死に鳴き、親鳥は無心に餌を運んでいた日であったのだろう。

 

2011年6月17日金曜日

かつてGold-Rush ありき

さすがに梅雨である。雨降りの日が続いている。
稲作を中心とする農耕文化が根付いているわが国では、この温暖湿潤気候の恵みである梅雨を最大限に利用してきた。
鬱陶しい雨ではあるが、植物の生育には欠かせない慈雨でもある。
今年は九州南部では特にひどい大雨のようであるが、時にこのように生活を脅かす一面を現すこともあるが、農業のために、あるいは上水道の水源としては、無くてはならない存在である。
農業とは関係ないが、久慈川周辺に降る梅雨時の雨を心待ちにしている人たちがいる。
         
唐突だが、常陸大宮市山方から久慈郡大子町にかけての久慈川沿いの山々は、古くからの金=Goldの一大産地である。
かつては山間に金の採掘跡の大きな掘り込みが見られた。
旧大宮町内にも金採掘跡がいくつかみられる。
この地域から産出された金は、遣唐使の渡航費用に充てられていたと「続日本後紀」に記されている。
  陸奥白河郡従五位勲十等八溝黄金神は、砂金常に倍する産出をなし、遣唐の資を助けたる
      (  『続日本後紀』巻五承和三年正月乙丑 )                                                                      ※承和3年=836年

16世紀には、当地を支配した佐竹氏が栃原金山(久慈郡大子町)を開いている。
佐竹氏は豊臣秀吉に多量の金を献上しており、上杉氏(佐渡金山を領有)、伊達氏(陸奥の金山を多数領有)についで3番目の多さだ。
これらの金は当地方から採掘されたものだ。今年のNHK大河ドラマ『江』では、絢爛豪華な大阪城や聚楽第がしばしば出てくるが、きっとそこには茨城産の金が大量に使われていたはずだ。
17世紀の徳川時代になっても、水戸藩は金山経営を熱心に続けた。その中心となった歴史ある栃原金山だが、1996年には閉山している。本州で最後まで頑張ったが、金価格暴落には勝てなかった。
余談になるが、金含有量は栃原金山が平均30g/tで、現在日本最大の金鉱山である九州の菱刈鉱山は平均50g/tだそうだ。栃原はかなりの高品位な鉱山であったようだ。
         
これら八溝山系の金鉱脈の恩恵であろうか、久慈川に注ぐ支流では多くの砂金を見つけることが出来るという。砂金掘りマニアの間では、久慈川近辺はなかなかメジャーな存在なのである。
水量が豊富になるこの梅雨時は、砂金探しにはきっと最適の季節なのだろう。小さなGold粒の魅力に取り付かれた人たちが、こぞって砂金掘りに興じているらしい。
 ある砂金掘りを趣味とする人のブログ

この人たちは、活動の場の具体的地名・場所は明かさないというルールを頑なに守っている。
従って、たくさんのHPで砂金掘りが紹介されてはいるが『久慈川支流』や『八溝山系を流れる川』程度の表記になっているのがほとんどだが、推察は出来る。
         
過去数百年、この八溝山系の山間部や久慈川沿いの静かな山村は、何回ものミニゴールドラッシュに沸いた。その時々の大名や事業家が、一獲千金の夢に胸を躍らせて、この地に踏み入った。
現代では、砂金掘りマニアが(・・ささやかではあるが)ひそかに砂利を掬っては胸躍らせている。

 ※ マナー違反や環境破壊につながるような目に余る行為を見かけたら、
    彼らをどうぞ注意してやって欲しい。
         
掘る人もなくなった地下には、数億トン(?)の金鉱脈がいまも静かに眠っている。そんな黄金の大地の上で、我々は生活している。
常陸大宮市山方・岩井橋より南(下流)を望む

同・北(上流)を望む
写真左岸の山間にも採掘跡がある
この辺りから北の支流が砂金探しのメッカらしい
久慈川に沿って走る国道118号線から見える八溝山系の急峻な山々

2011年6月16日木曜日

福島を想う

農林漁業は、生産物が自然界にあり、その生産物をより実り豊かにするために拡大再生産する一連の作業である。
難しい理論はさておき、季節の流れの中で、いま必要とされる当たり前の作業を、当たり前に行っていることがどれだけ素晴らしく幸せなことであるかをつくづく感じさせられる。
ほかでもない、収束の兆しも見えないあの福島原発事故で、避難を余儀なくされた農林漁業の人々のことを想うと、である。
田畑あるいは漁場を、いきなり放棄させられ、そこにふたたび戻れる見通しさえも立っていない。

                 

いい加減な気持ちで続けられる一次産業では無い。
土地に対し永続的に資本と労働を投下して成り立つ産業である。
ましてやその地は先祖代々の苦労が染み付いた大切な土地であり漁場である。
これらの土地や海を突然に取上げられた方々の悔しさ・無念さを思うとき、胸が痛む。

農家の人は、どんなことがあっても、どんな所に行っても、土地さえあれば生き抜いていける、生き抜くんだという自信を持っている。
逞しい魂を持っている。

必要なものは買わなくても手に入れられる安心感、大地とつながっているという安定感がある。

しかし、その土地が取上げられたとなれば話は別だ。
無念さは、きっとここからもきているはずだ。

                 

放射能汚染された土地についての除染方法が、事故対応と平行して検討されている。
放射能漏れが収束したとしても、そのあとの土地の除染作業は気の遠くなるような作業だろう。
おそらく除染に必要な時間は、天文学的数字ではないのか。
その間、これらの土地は耕作放棄地である。
いったん手入れを失った土地を、耕作可能な元の状態に戻すのは決して容易ではない。
容易ではないが、止めるわけにはいかない。
止めるはずがない。
農家の土地に対する熱い思いが、困難を乗り越え実現可能にさせる。

         

茨城のこの地も、決して安穏とはしていられない。
同じ農家として、不安は同じだ。

いま我々に出来ること。 
福島を想い復興を祈ること。  
ともに頑張ること。


カエル・・・帰る・・・変える

2011年6月14日火曜日

アブラナ&カラシナ

既に菜の花の時期は過ぎて種子が弾ける頃となった。
繁殖能力が高い菜の花は、まさに一粒万倍。
細長く茶色い殻に詰まった、小さな粒の種子を大量に弾いて飛ばす。
殻はすっかり茶色になりパリパリになっている
この黄色い花については、いままで漠然と『菜の花』と呼んだり書いたりしてきた。
しかし、あまりにありふれているため、気にしてはいなかったが、恐らくここに咲いていたのは、菜の花つまりは『菜種』=アブラナだけではないのだろう。

つまり、ちょっと見ただけでは菜の花と同じく見えるよく似た花の『カラシナ』が、かなりの数でまぎれていると思われる。
搾油用にとか、観光用にとか、学術的に栽培しているとかで、同一品種できちんと管理して栽培している訳ではない。
勝手に生えて勝手に増殖している花であるため無管理で、いちいち分類などを気にすることもなくきた。

              

ここで、改めて違いを調べてみた。
(紹介する写真は、『松江の野草樹木シダの花図鑑』より転載した。非常に参考になるHPである。
http://homepage.mac.com/n_yoshiyuki/index.html)

左がアブラナ、右がカラシナである。

まずは花の形。  
アブラナの花

アブラナの花(拡大)



カラシナの花
  






花の形は、
アブラナ(↑)は十字型であり、
カラシナはどちらかと言えばH型である、
・・・・・とのことだ。










いずれにしても一見しての区別は難しい。
つぎは葉っぱの形である。


アブラナの葉






アブラナの葉(←)は、茎の基部(根に近い部分)の部分の葉には柄があり、先太り。羽のような形。
カラシナの葉(↓)は、縁にノコギリ歯がある。


どうやら葉っぱの形では区別は付きそうだ。



カラシナの葉
















次は、葉の基部(葉っぱが茎につながっている部分)である。

アブラナの葉の基部














カラシナの葉の基部




 アブラナの葉の基部(↑)は、茎を抱くように回っているが、カラシナの葉の基部(→)は、それがない。









賢明な皆さんは既にこの区別をご存知で、小生だけが知らなかったのかもしれない。

              

既にこれらの茎は枯れ、彼らの子孫は地に飛び散った。
来年の発芽に向けてじっとその時を待っているはずだ。

来年の花の時期に、この記事を思い出し、花の形なり、葉の形なり、葉っぱの付き方などをじっくりと観察していただきたい。
そして、周囲に薀蓄を傾けていただければ願ってもない幸せである。

              

しかしながら、個人的には一面に咲き誇る黄色い一群を見て、両者合わせて『あ~あ、キレイな菜の花だねぇ・・・』でも良いような気がしないでもない。

2011年6月13日月曜日

ニワゼキショウ

5月から6月にかけて、庭や道端、空き地に咲く紫色の小さな花がある。
背丈は10cm程度。
踏まれ易い場所に健気に咲いている。群生しているとなかなか綺麗な花だ。
この辺りでは普通に見られ、特に珍しくもないため、正式な名前も知らないでいた。
 このようなブログに季節の花の写真を載せるに当たり、やはり正式な名前が知りたいと思うようになった。いや、知ってやりたいと思うようになった。
                 
これらは、いわゆる生花店に並んでいるような金銭的な値打ちがあるような花、華やかな花ではない。
大多数の人が『雑草』というカテゴライズで納得してしまっている花だが、やはり雑草という括り、名前では不憫である。


正式な名前は『ニワゼキショウ』。
漢字で書くと『庭石菖』。
北米原産の立派なアヤメ科の植物である。
明治中期に渡来した帰化植物だそうだ。

葉は剣状で、ふちには細かい鋸歯がある。
花びらが6枚、中央部分の色が濃い。
紅紫色~白色がある。花の後丸い玉のような実がつく。
葉が、サトイモ科のセキショウに似ているのでニワゼキショウの名がついたとのことである。
ああ、またひとつスッキリした。
                
ちなみに、セキショウとはこのような植物だ。

残念ながら、この写真を見てもあまりよく分からない
薬用植物で、健忘症に効果ありとのこと。
谷川の淵などに群れて自生する植物のようなので、やはり当地あたりでは見かけたことはない。

2011年6月12日日曜日

「農家温泉」・「酵素風呂」

先日、踏込み温床の内部が微生物の発酵熱でかなりの高温になっており、その熱で「温床浴」ができるのではないか、と書いた。
書いた後で、以前にどこかで似たような話を読んだな、と気になっていた。
あれこれ思い当たるところを当たってみたところ、見つけた。
やっぱりあった。
毎月愛読している「現代農業」の2010年1月号に紹介されている記事だった。
『ああ、ぜいたく  農家温泉』、『微生物に囲まれて ああ、酵素風呂』という見出しで4ページ紹介されている。

     

かいつまんで紹介すると次のとおり。
もともとは千葉県の大久保義宣氏がオガクズや米ヌカを微生物の力で発酵させた50~65℃の健康風呂(現代農業1999年12月号で紹介)である。
それをさらに埼玉県の加藤隆治氏が『えひめAI』を利用して改良、楽しんでいる、というもの。
取材したヨシダ氏も入浴ならぬ『入酵』させてもらい、その酵素風呂のパワーに驚いた、と言う記事である。
イラストと共に、酵素風呂の作り方・日々の管理・(酵素の)エサづくり、が掲載されている。

酵素風呂の材料は、ヒノキのオガクズ、米ヌカ、水、えひめAIである。
それらを厚さ80cmほど敷き詰める。
3日もすれば発酵が進んで温度は55℃くらいになり、『入酵』が出来るようになる。
『入酵』は、市販のペーパーつなぎを着用し、顔だけ出して体をこの発酵オガクズ中に埋めてもらう。
要はよく各地の温泉で見られる砂風呂と同じ要領だ。
いい湯加減ならぬ発酵加減で、体の芯からとても温まる、のだそうだ。
ここでもあの『えひめAI』が活躍している。
  
         

直近ではこの記事であるが、現代農業では何度かこれに似た特集をしている。
農文協のルーラー電子図書館データベースでは『酵素風呂』のキーワードで10件ヒットする。
(1999/12-2010/1の現代農業の記事)
過去の記事は読んではいないが、おそらく似たようなものであろう。
全国で実にたくさんの方がいろいろと工夫し、熱利用を楽しんでおられるようだ。

この熱の利用を、野菜の苗育成だけに留めるのは確かにもったいない。
ではあるが、ヒノキのオガクズであれば『入酵』する気もするだろうが、これがミミズが大量にうごめく落ち葉の腐ったものでは、さすがに『入酵』は気が引ける。
作った当人でも遠慮したいものだ。

     

今日も温度計を挿して温度を計測してみた。
外気温は24℃。内部は42℃であった。
前回よりはやや低温であるがそれでもお風呂の適温程度は十分にある。
外は24℃

落ち葉内部は42℃ほど

今回やや低い温度であるのには、実は思い当たる節がある。
計測2時間ほど前に、えひめAIの希釈液を大量に散水したのであった。

それゆえ、この計測タイミングは不適当で、計測値には信頼性がない。参考値としよう。
明日には、きっとあの『えひめAI』の威力でもっともっと高温になっているかもしれない。
先の加藤氏のような55℃にもなっていれば、温床浴、いや温床サウナも可能な温度だ。
あと10℃ほどUPか・・・・・。
密かに期待しつつ様子を見ることとする。

     

前回は試作した『えひめAI』であるが、我が家ではコンポストの生ゴミに噴霧し、台所に流し、野菜の根元や葉っぱに散布、と大いに活用している。
コンポストの臭いは気にならないし、野菜は気のせいであろうか、それぞれの生育が良いように思う。
そして、今回のこの踏込み温床の落ち葉に撒いて、すべてを使い切り、備蓄が無くなった。

気温も上がってきて、えひめAI作りの発酵温度管理は、だいぶ楽になってきている。
またタップリと作ろうと思っている。

2011年6月10日金曜日

踏込み温床 発酵中

去る6月6日に、落ち葉を集めて踏込み温床を造り、米糠・籾殻等も入れ、タップリと散水しておいた。
表面的には何事もない落ち葉の固まりであるが、落ち葉を少し動かしてよく観察するとミミズが大量に蠢いているのが確認できる。
山で集めるているときから、既に腐葉土と化している落ち葉なのである程度のミミズがいることは分かっていた。
改めてじっくり眺めると、実に沢山いる。

★★ミミズの画像と動画につき、苦手の方はスキップされたい。★★


多量のミミズが生息するのだから、ほど良い土壌なのだろう。

ついでに温床の内部がどれほどの温度になっているかを調べてみた。
本日の天候は曇り。外気温25℃である。湿度は不明だがやや蒸し暑い。

温床上部の藁の上で計測。気温約25℃。
内部の温度は、なんと45℃にもなっている。
かなりの発酵熱だ。
いまの季節で外気温が高いことを割り引いても、かなりの高温だろう。

これだけの熱が冬場にも安定して維持されるならば、さらに周囲をビニールハウスで覆えば、温床表面の温度は野菜苗を育てるには十分であろう。(それが本来の踏込み温床の利用方法だが)
なんともエコロジーなシステムである。
編んだ藁の隙間から内部に温度計を挿してみると、約45℃にもなっている。
かなり熱い風呂の温度だ。
これだけの熱が得られるのであれば、岩盤浴ならぬ「腐葉土浴」・・ちょっと字面が悪いので改め、「温床浴」ができそうではないか。
(この中に寝転ぶか埋まるかの勇気と、臭いを忌避しなければの話だが)

■ + ■ + ■ + 
庭の片隅に咲いている『ユキノシタ』の花を撮影してみた。季節の花である。



花は 5 弁である。
下の 2 枚が白く大きい。上の 3 枚は薄紅色で濃い赤紫の点がある。
何気なく見過ごしている花であるが、拡大してみると意外と清楚でカワイイ。